都会のネズミと田舎のネズミ

田舎のネズミが都会のネズミにお誘いを受ける

私、今は田舎住まいの方が長くなっちゃったんですけれど、元々は都会っ子なんです。
バブル景気のど真ん中で水商売のアルバイトも経験したので、そこそこ羽振りのいいおじさんたちにおいしいものをゴチになったりしていて、それが当たり前だと思っていたんです。

まぁ、田舎に来ちゃったらバブルのバの字もなかったですから、男性からのお誘いもドライブとか。

は?

缶コーヒー1本で何時間私の時間を奪うの?ってショボいデートだなって呆れていたんです。
そのうちドライブに関しては、車酔いするからとか言って交わすようになりました。

ところが先週、遊び慣れたと言うよりも遊び飽きたとお見受けできる、なんとなくお金の匂いがプンプンするおじさんにバーでのカクテルイベントに連れて行っていただく機会があったんです。

おじさん御年60歳。
残念、私のストライクゾーンからは外れているので、恋愛感情はなし。
根掘り葉掘り「なんでそんなにお金持ちなんですか?」なんていくら何でも聞けないでしょう。

お誘いを真に受ける

飲みながらそれとなく聞くんですけれど、向こうも肝心なところはぼかすのが上手なんです。
けど、胡散臭い意味ではなく、たまにはお金持ちの「気」をもらうのはいいことだなって思って、日々生活に追われてアクセクして、すっかり田舎のネズミに成り下がった私は思ったんです。

今度とおバケはありません

あまり遅い時間にならないうちにお先に失礼したんですけれど、おじさんは「また飲もうよ」と声をかけてくれました。
でしょ?都会のネズミは口先だけのお誘いをするのが上手。
私だって都会に住んでいた頃は、それっきり二度と会う気もない人たちに「また一緒にあそぼうね」ってかならず言っていました。

「また今度」って言うのは都会のネズミが得意なフレーズです。
田舎のネズミはうっかりそれを真に受けてしまいました。

郷には入れば郷に従えで、私は田舎のネズミになりましたが、芯は都会のネズミな部分もちょっぴり残っています。
だからあのおじさんの社交辞令も分かるんです。
あのおじさんは経済力にモノを言わせて、一生田舎のネズミには染まらないと思います。
私もあの瞬間は楽しい思いをしたから、それはそれでいいんです。
都会のネズミと田舎のネズミが接点を持つことはもうないでしょう。

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宮前黎子

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